実家が汚いまま放置するリスクと根本から解決する片付けのコツ
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「後回しにしがちな事」ランキングの常に上位に入る「実家の片付け」
実家とひとくちに言っても自宅の近くに実家がある人、遠く離れた場所に実家がある人。
実家が戸建ての人、マンションの人。まだ両親が暮らしている実家もあれば、空き家になった実家もあります。
それぞれ様々な事情を持って、実家の片付けと向き合っているかと思いますが、今日は実家が汚くて片付けをするのが後回しになっている。
といったケースの原因とリスク、解決策をご紹介します。
実家が汚い原因
どうして実家がなかなか片付かないのか。もちろん誰かが片付けや掃除をしないと綺麗にはなりませんが、もしかしたら根本的なところに問題があるのかもしれません。
親の認知能力が低下している
子供の頃は両親が家の掃除やメンテナンスをしていてくれたので、自分の家が汚いだったり、暮らしにくいなんて思ったことはなかったが、先日久しぶりに実家に里帰りをしたら、あまりの実家の変わりように驚いてしまった。と言った相談を依頼者の方から伺うことがあります。
数年ぶりに帰省したら、床には荷物が散乱し、足の踏み場もなくなっていたとのこと。
写真はイメージです
電話ではたまに会話をしており、元気そうな声で会話をしたいたので、特に変わりなく生活しているのだろうと思っていたが、こんな状態でどうやって生活しているのだろうと心配になり、まずは散乱した荷物の片付けをしなくては、と慌てて問い合わせをされるのです。
両親が実家で生活しているので、実家の掃除や片付けは大丈夫だろう考えていても、家を守る両親が、年齢を重ねるにつれて体力の衰えや体の不具合など、いわゆるフレイルになっている可能性はあります。
フレイルとは
フレイルは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、「Frailty(虚弱)」の日本語訳です。健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指しますが、適切な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずにすむ可能性があります。アクティブシニア「食と栄養」研究会 より引用
気づかないうちに「あれは大変だからあとでやろう」「これくらいなら気にならないから我慢しよう」と今まで生活の中で当たり前にしていたことを少しづつやらなく、またはやれなくなり、当たり前にきれいだった実家は、たとえ暮らしている人が昔から変わらず生活をしていたとしても、その人の身体の変化や加齢に伴い昔とは異なる実家になっているのです。
経済的問題の影響
近年物価高や賃上げ、増税などお金にまつわるニュースが話題になることが多いですが、日本の国民一人当たりのGDPは年々外国勢に追い越されていき、今ではG7の中では最下位となっています。
GDPの話をするとマクロ経済的な視点になってしまいますが、多くの国民の可処分所得が減少しているのは明らかです。
100年安心と言われた年金の制度も不安、疑問視されており、悠々自適な老後をイメージして、これまで何十年も言葉通り身を削って仕事に勤められてきた高齢の方が、身体も弱り始め、いざ年金に頼ろうとしたタイミングで「年金だけでは普通の生活はできません」「身体が動く人はもっと仕事をしてください」というようなニュースが流れてきます。
身体が不自由になってきたので、これまで自分でしていた掃除や洗濯、お片付けなどをハウスクリーニング業者や家事代行、不用品回収の業者に任せようと考えていた方が、経済的な問題で断念し、ご自分で引き続き身体に鞭を打ちながら生活をしていくのか、もしくはこれまでと同様の生活は諦め、少し汚くても我慢しながら暮らしていくのか、といった選択が迫られているようにも感じます。
世代間による価値観の違い
高齢世代の方の家は若者世代の方の家に比べて荷物が多い傾向があります。
大量生産、大量消費の社会風潮の中で育ってきた世代とSDGsで持続可能な社会を目指し育っている世代ではモノの価値観は異なります。
実家を汚いと言っているお客様のお宅に訪問したが、少し荷物が多いくらいで全く汚いというようなお宅ではない、といったケースはよく目にします。
不要なものが多いということがゴミが多い、汚いといった認識になっているのではないでしょうか。
家の構造や家具の配置の問題
ここ数十年で住環境も変化をしており、昔は多かった木造住宅も今は広い空間がとりやすく、耐震構造を作りやすい鉄骨や鉄筋コンクリートの戸建てが増えています。
阪神大震災や東日本大震災などの大きな災害などを経験し、住宅も強く、丈夫に変化をしています。
災害時に多くの家庭でタンスや食器棚が倒れたというニュースが流れ、新築の家を建てる場合、あらかじめ造り付けで家具を設置、建物に内蔵することがスタンダードとなってきています。
一方高齢者のお宅へ見積もりに伺うと、お部屋に必ずと言っていいほど大きな婚礼家具が配置されています。家具があればホコリもたまります。
身体が不自由になってきたのでタンスの上や裏まで掃除ができない。
掃除が行き届かないから汚い、といった理由で実家が汚いということにつながるのではないのでしょうか。
実家が汚いことによるリスク
実家が汚いよりは、もちろん綺麗な方が良いに決まっています。
わかっているけれどなかなか片付けができない。
そんな方には以下のようなリスクも知っていただければと思います。
心身ともに病気になるリスク
健全なる精神は健全なる身体に宿ると言いますが、心身健やかに過ごすためには、キレイな家は欠かせません。
近年住宅の高気密化が進み、建材や建築工法の変化により室内空気中の化学物質濃度が高くなることで、シックハウス症候群にかかるということが問題になっています。室内環境を整えるのに定期的に換気をし、空気を綺麗にするということは必要です。
片付けや掃除をしないとほこりが溜まり、ダニアレルゲン、ハウスダスト、カビ、細菌等が発生し、アレルギーや呼吸器系への疾患を引き起こす可能性が高くなります。
写真はイメージです
セルフネグレクトに陥りやすい
ゴミ屋敷や汚部屋が発生する原因と言われるセルフネグレクトの初期症状に片付けができない、掃除ができない、ゴミ出しができないなどの症状があります。
セルフネグレクトとは
ネグレクト(neglect)とは無視する・怠るといった意味があり、セルフネグレクトは自分自身のことを大切に扱えなくなるといった、精神疾患が背景にある症状のことです。
たかが片付け、されど片付け。大切なものを守るために一度やらなくてはいけないことの優先順位を見直しませんか?
親子関係への影響
片付けをしないことが親子関係に影響があるのか?
妻が実家に行きたがらない。夫の義実家に行きたくない。
または夫婦逆も然り。
義母との関係が良くないから、義父が苦手だからなど人間関係が原因でお互いの実家に行きたくないということはよく耳にしますが、行きたくない理由の一つに相手の実家が汚くストレスが溜まる、落ち着かないからということもあるようです。
家が汚い、片付いていないということで、人の距離があいてしまうことはとても残念に感じます。
汚い→人が集まらない→片付ける意欲がなくなる→さらに汚くなるといった負の連鎖が起こらないように、実家の片付けをしてみませんか?
外見や仕事に対する影響
実家が汚いことで外見や仕事に影響が出る?
決して大袈裟な話ではなく、実家とは「自分が生まれ育った家」のことであり、自分の起点とも言える重要な場所であります。
必ずしも本人と実家を深く関係づけることが正しいとは思いませんが、そのように人を判断するという文化が日本にあるのは事実です。
実家が大きかったり、綺麗だったりすることで自信を持つことがあるかもしれません。
実家が汚いことがコンプレックスで友達を家に呼べなかったことがストレスだったという人もいます。
人から見られるということを意識するのに、実家という存在が影響を与えることもあるのです。
また実家が汚い、片付けができていない、部屋が荒れているとなると、人を実家に呼びにくくなります。
訪問介護がスムーズに進まない
いざ両親の介護をするとなった時に介護保険を利用したヘルパーさんに介護のお手伝いをお願いすることができなくなるという点があります。
ヘルパーさんは基本的な生活動線がなく、室内での活動がしづらい場合、まずはサポートができるよう室内環境を整えてください、という話になります。
介護保険では片付けができる範囲がある程度決められているので、あまりにも室内が散らかった状態ですと、サポートをしてもらうための片付けを自分でする必要があるのです。
片付けができないとなれば、ヘルパーさんの介護を受けることができませんので、仕事を休んでご自分で両親の介護をしなくてはいけないということになります。
介護を理由に休職、転職をしたという話もよく耳にします。
これらは決して作り話や脚色した話ではなく、実際に起こっている、私たちが現場で見ている事実です。
話が飛躍しているように感じる方もいるかもしれませんが、長期間実家の片付けを放置し、最終的に自分たちではどうしようもなくなってしまう、といったことは誰にでも起こり得ます。
それを防ぐための最初の一歩は「実家が汚いな」と感じるところから始まります。
実家の汚さを改善するための方法
実家が汚いと言葉にするのは簡単ですが、それをどう綺麗に片付けていくか、そして片付けた状態をいかに継続させるか、プロの目線でおすすめの方法や手順の紹介をしていきます。
整理整頓のコツと効率的な片付け手順
整理整頓のコツはまずは「分別」から
捨てるものは可燃ごみ、不燃ごみ、古紙などゴミの収集カレンダーに合わせて分別する必要はありますが、残すものも種類ごとに分別をしておくことは重要です。
頭の中で処理する情報をシンプルにしておく、ということが片付けの基本と継続のポイントになります。
片付けが苦手な人の傾向としてカテゴライズが苦手で、必要なものの「分別」をしようとすると20、30とたくさんのグループを一度に作ろうとします。
まずはざっくり「洋服」「食器」「本」など10ぐらいの大きなグループ分けをし、大きなグループ分けが終わってから、「洋服」の中で「Tシャツ」「ズボン」「スカート」など細かくアイテム分けをしていきます。
片付けをすると逆に散らかるという方や、いつまで経っても片付けが進んでいかないという方は、ぜひ家にある全てのものが10のグループに収まるように、大きなグループ分けをするところから始めてみましょう。
部屋ごとに片付ける
「「こちらをおすすめする理由も前述の「分別」と同じ考え方に帰属しますが、一度に処理する情報を少なく、シンプルにするためです。家中にあるものを一度にまとめて分別しようとすると、移動の距離が長くなるので時間もかかるようになります。
ゴールを細かく設定し、コンパクトな動線で片付けを行います。まずは1部屋/1エリアずつ片付けを進めていきましょう。
掃除に使用する道具とその活用法
掃除に道具は不可欠ですが、高価なものや多くの道具を使う必要はありません。
掃いたり、拭いたりしやすいように荷物をまとめ、束ねたりするのに「箱」「袋」「紐」のこの3つがまずは掃除を始める前の3種の神器となります。
箱を活用して掃除する
「箱」は大中小とそれぞれのサイズで準備をしておくといいでしょう。箱は重ねたり、収納の中に収めることを考慮し、大中小で分けたらそれぞれのサイズ内では同じ箱を準備しておくと便利で片付け後の見栄えが良くなります。
袋を活用して掃除する
次に「袋」ですが、こちらは大きさ45-70リットル程度の袋のサイズが片付けには使いやすいです。
小さ過ぎると中にあまり詰められませんし、大き過ぎると袋に入れて持ち上げたときに破れてしまうことがあります。
紐を活用して掃除する
最後に「紐」に関しては、ビニール紐が一番お勧めです。紙紐や生地の紐などありますが、金額も安価で、縛りやすく、紐に厚みがないので縛ったもの同士を重ねたときに紐が邪魔にならないというメリットがあります。
必要なもの、不要なものをまとめ終わったら、各所の埃を払い、汚れをきれいに落としていきましょう。
実家を片付けたがらない親を説得する方法
実家の片付けをしよう!と意気込んでも、そこで暮らしている母親、父親、義母、義父が拒むということもあります。
なぜかというと片付けようとしているモノの認識の違いがあるからです。
こちらが不要だ、ゴミだと思っているものが親にとって必要、思い出ということもあるのです。
一つ注意点ですが、間違えてもご両親の許可なく、勝手に片付けや掃除はしないようにしましょう。
捨てる、または片付ける理由の説明、説得を丁寧にし、親の納得のもと片付けや掃除は進めるようにしましょう。簡単に受け入れてくれる場合もあれば、説得に時間がかかる場合もあります。
勝手に荷物が捨てられたということでトラブルになったり、両親が体調を崩されたりといったことはよくありますので、フリーアールで生前整理やお片付けの依頼を受けたとき、依頼者が所有者でない場合は、特に細心の注意を払って残す、残さないの確認をお客様と一緒に行うようにしております。
片付け前の説得と、作業の進め方
フリーアールが両親が片付けを拒むといった場面に遭遇した場合、ケースバイケースではありますが、基本的に片付けをした品物がどのように活用、再利用されていくかご両親に説明するところから入ります。
それと仕分けをご両親と一緒に行い、ご両親のペースで一つづつ選別されるのを、雑談を交えながら行います。実家にあるものはご両親の身体の一部となっていますので、無理に引き剥がしてしまうと傷やしこりが残ることとなります。
納得、理解の上で手放していけるようサポートするのが私たちプロの仕事と考えております。
綺麗になった実家を保つには
片付けは一時的なものであってはなりません。
片付けた後、その状態が持続することが重要です。
片付けた綺麗な状態が続いていくとどのような効果が期待できるのでしょうか。
新しい生活習慣と定期的なメンテナンスを
一度片付けた後、あとはそのまま何もしなくていい、といった魔法の片付けはありません。
しかしシンプルに、コンパクトに、わかりやすく片付けることで、綺麗な状態を維持しやすい環境を作ることはできます。
簡単にできることであれば習慣化しやすくなり、きれいな状態が続くようになります。きれいな状態が長い期間続くと、今度は少しの乱れや汚れが気になるようになります。
良い習慣が身につくと自然ときれいは保たれるようになるのです。
業者に依頼するメリット
片付けの大切さはわかっているけれど、やはり時間が取れない、なかなか重い腰があがらないという方も少なくないのではないでしょうか。
そんな時はぜひ一度プロに頼ってみてください。
もちろん費用がかかることですので、しっかり見積もりをとって、話を聞いてご判断いただければと思います。
誰でもできる片付けを、プロとしてやっている以上は一般の人にはない技術、経験、ノウハウをそれぞれの業者がもっています。悪徳業者は論外ですが、しっかり複数の業者の見積もりを取り、どのように作業してもらえるのか話を聞けば、お金で買えない得られるものも多いはずです。
実家が汚いと悩んでいるその期間は、とても大切な時間や思い出を無駄にしている可能性があります。
おわりに
片付けが進み、動線ができれば窓を開けやすくなり、換気が細かくできるようになります。
そうすることで身体や家の健康が改善されます。
そしてきれいな実家が保たれると人が集まるようになり、そこでのコミュニケーションも増えるようになります。
片付けとは思い出のアップデートでもあります。
昔の思い出をきれいに整理し、できた空間にまた新しい思い出を作る。 片付けをしないでそのままにしておくことは、新しい思い出を作る機会を減らしていると言っても過言ではありません。
フリーアールでは年間ほぼ毎日お片付けのご相談をいただき、お片付け作業を行なっております。
ちょっと自分で片付けるのは大変かもなと思ったら、悩まずお気軽に片付けのプロであるフリーアールに是非ご相談ください。見積 相談無料です。
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