生活保護受給者が死亡したらどうなる?手続き・葬祭扶助・相続放棄・費用負担を解説
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「生活保護を受けていた親族が亡くなったけれど、まず何をすればいいのだろう」「生活保護費の返還やアパートの退去費用を請求されるのではないか」と不安を感じていませんか。
生活保護受給者が死亡した場合は、福祉事務所への連絡や死亡届の提出などの手続きが必要です。また、状況によっては葬祭扶助を利用できるほか、相続放棄によって借金や未払い家賃などの負担を避けられるケースもあります。
この記事では、生活保護受給者が死亡した際に必要な手続きや葬祭扶助の内容、家族に請求が来るケース、相続放棄の注意点について分かりやすく解説します。
生活保護受給者が死亡した際の手続きまとめ
・生活保護受給者が死亡したら、まず福祉事務所へ連絡し死亡届などの手続きを進める
・葬祭扶助を利用できる場合があり、葬儀契約前の相談が重要・相続放棄を検討している場合は、遺品整理や預貯金の引き出しに注意する
生活保護受給者が死亡したらまず何をする?手続きの流れ
| 手続き | 期限の目安 | 主な提出先・連絡先 |
|---|---|---|
| 死亡診断書の取得 | 死亡確認後 | 医療機関 |
| 福祉事務所への連絡 | できるだけ早く | ケースワーカー・福祉事務所 |
| 死亡届の提出 | 死亡を知った日から7日以内 | 市区町村役場 |
| 火葬許可証の取得 | 火葬前 | 市区町村役場 |
| 年金や公共料金の停止 | 速やかに | 年金事務所・各契約先 |
生活保護受給者が死亡した場合は、まず福祉事務所への連絡や死亡届の提出などの手続きを進める必要があります。
とくに葬祭扶助を利用する可能性がある場合は、葬儀の契約前に福祉事務所へ相談しましょう。
死亡診断書を取得する
👉 相談先:病院・医療機関(自宅で亡くなった場合は警察や医師)
病院で亡くなった場合は医師から死亡診断書が発行されます。自宅で亡くなった場合や突然死の場合は、警察や監察医が関与するケースもあります。
死亡診断書は死亡届の提出や火葬手続きに必要となるため、大切に保管してください。複数の手続きで必要になることもあるため、事前にコピーを取っておくと安心です。
福祉事務所へ連絡する
👉 相談先:担当ケースワーカー・福祉事務所
生活保護受給者が死亡した場合は、できるだけ早く担当ケースワーカーや福祉事務所へ連絡しましょう。福祉事務所では生活保護の廃止手続きが行われるほか、条件を満たす場合は葬祭扶助について相談できます。
💡 葬祭扶助を利用する場合は、葬儀社との契約前にケースワーカー等に相談してください。先に契約すると扶助の対象外になる可能性があります。
死亡届の提出と火葬許可証の取得
👉 相談先:市区町村役場(戸籍担当窓口)
死亡届は死亡を知った日から7日以内に提出しなければなりません。死亡届を提出すると火葬許可証が交付されます。火葬を行うためには火葬許可証が必要となるため、葬儀社へ依頼する場合も手続きの流れを確認しておきましょう。
なお、死亡届を提出できる主な人は次のとおりです。
・親族
・同居者
・後見人
・葬儀社(代行する場合)
年金や公共料金などの解約手続きを行う
👉 相談先:年金事務所・電力会社・ガス会社・水道局・管理会社など
死亡後は生活保護以外にもさまざまな契約の解約や停止手続きが必要です。主な手続きとしては、年金の受給停止、電気・ガス・水道の解約、携帯電話やインターネット契約の解約などがあります。
賃貸住宅に住んでいた場合は、管理会社や大家への連絡も早めに行いましょう。退去期限が設定されることもあるため、住居整理や相続放棄の検討と並行して進める必要があります。
生活保護受給者が死亡したときの葬儀費用と葬祭扶助
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相談先 | 福祉事務所・担当ケースワーカー |
| 対象者 | 生活保護受給者の遺族など一定条件を満たす人 |
| 主な内容 | 火葬や納棺など最低限の葬儀費用 |
| 注意点 | 葬儀社と契約する前に相談が必要 |
生活保護受給者が死亡した場合、一定の条件を満たせば「葬祭扶助」を利用できる可能性があります。葬祭扶助とは、生活保護法に基づいて最低限の葬儀や火葬を行うための費用を自治体が負担する制度です。遺族に十分な資力がない場合などに利用できるため、まずは福祉事務所へ相談しましょう。
葬祭扶助とは?
👉 相談先:福祉事務所・担当ケースワーカー
葬祭扶助とは、生活保護法第18条に基づく扶助制度の一つです。生活保護受給者が死亡した場合や、葬儀を行う遺族に費用負担能力がない場合に利用できる可能性があります。
ただし、葬祭扶助は一般的な葬儀費用を全額補助する制度ではありません。あくまでも最低限の葬送を行うための制度であり、原則として火葬を中心とした「直葬(火葬式)」に近い形式で執り行う場合、自治体が認めた範囲の費用が支給されます。ただし、自治体によって運用が異なる場合があるため、詳細は福祉事務所へ確認してください。
参考:葬祭扶助とは? 生活保護受給者が葬儀代を払えない場合の解決策
葬祭扶助で支給される費用
👉 相談先:福祉事務所・葬祭扶助対応の葬儀社
葬祭扶助では、故人を火葬するために必要な最低限の費用が対象になります。
主な対象は次のとおりです。
・遺体の搬送費
・棺
・納棺に必要な物品
・火葬費用
・骨壺などの収骨容器
対象となる内容は自治体によって異なるため、事前確認が必要です。
たとえば藤沢市では、国民健康保険の加入者が死亡して葬祭等を行った場合、50,000円が支給されます。葬祭扶助に対応している葬儀社へ依頼すると手続きがスムーズに進みやすくなります。
葬祭扶助で対象外となる費用
👉 相談先:福祉事務所・葬儀社
葬祭扶助は最低限の葬送を目的とした制度のため、一般的な葬儀で発生する費用の多くは対象外です。
例えば、次のような費用は自己負担となるケースが多いです。
・通夜や告別式の費用
・会食費
・香典返し
・戒名料
・僧侶へのお布施
・供花や供物
後から想定外の請求が発生しないよう、どこまでが葬祭扶助の対象になるのかを事前に確認しておきましょう。
葬祭扶助を利用する際の注意点
👉 相談先:福祉事務所や担当ケースワーカー
葬祭扶助を利用する場合は、葬儀社との契約よりも先に福祉事務所へ相談することが重要です。先に一般的な葬儀を契約すると、葬祭扶助の対象外となる可能性があります。また、故人名義の預貯金や生命保険金の有無によっては利用できない場合もあります。
利用できるかどうかは自治体の判断によるため、死亡後はできるだけ早くケースワーカーへ連絡し、必要な手続きを確認しましょう。
生活保護受給者が死亡したら家族にお金の請求は来る?
| 費用・請求内容 | 家族が支払う義務 |
|---|---|
| 生活保護費 | 原則なし |
| 医療費 | 原則なし |
| 借金 | 相続した場合はあり |
| 未払い家賃 | 相続した場合はあり |
| 原状回復費用 | 相続した場合はあり |
| 連帯保証人としての債務 | あり |
結論からいうと、生活保護受給者が死亡したからといって、家族に生活保護費や借金の支払い義務が自動的に発生するわけではありません。ただし、故人の遺産を相続した場合や連帯保証人になっている場合などは、費用負担が発生するケースがあります。
過払いとなった生活保護費はどうなる?
👉 相談先:福祉事務所・担当ケースワーカー
生活保護費が過払いになった場合、自治体は故人の預貯金や遺産から返還を求めることがあります。理由としては、生活保護は月単位で支給されるため、死亡後に支給された保護費が過剰になるためです。
一方、遺族が自分の財産から返還する義務を負うわけではありません。まずは福祉事務所へ連絡し、返還の対象となる保護費があるか確認しましょう。
医療費や介護費の請求はある?
👉 相談先:福祉事務所・医療機関・介護事業所
生活保護受給中に受けていた医療扶助や介護扶助について、遺族へ請求が行われることは一般的にはありません。ただし、死亡後に発生した費用や未精算の費用がある場合は確認が必要です。
請求書が届いた場合は、支払う前に内容を確認し、必要に応じて福祉事務所へ相談しましょう。
未払い家賃や退去費用は誰が負担する?
👉 相談先:管理会社・大家・司法書士・弁護士
故人に未払い家賃や退去費用がある場合、その債務は遺産の一部として扱われます。そのため、相続人が相続を承認した場合は支払い義務が生じる可能性があります。一方、相続放棄をした場合は原則として支払い義務を負いません。
ただし、連帯保証人になっている場合は別です。契約内容によって対応が変わるため、管理会社や専門家へ確認することをおすすめします。
遺族が支払う必要がないケース
👉 相談先:司法書士・弁護士・家庭裁判所
次のようなケースでは、遺族が支払い義務を負わないことがあります。
・生活保護費の返還請求が故人の遺産を超える場合
・故人の借金を相続していない場合
・相続放棄が認められた場合
・連帯保証人になっていない場合
ただし、個別の事情によって判断が異なることもあります。請求書や督促状が届いた場合は自己判断せず、専門家へ相談することが大切です。
相続放棄すると借金や退去費用はどうなる?
| 項目 | 相続放棄した場合 |
|---|---|
| 借金 | 原則支払い不要 |
| 未払い家賃 | 原則支払い不要 |
| 原状回復費用 | 原則支払い不要 |
| 預貯金・遺産 | 受け取れない |
| 遺品の処分 | 注意が必要 |
| 連帯保証人の債務 | 支払い義務が残る |
相続放棄とは、故人の財産や借金などの権利・義務を一切引き継がない手続きです。相続放棄が認められると、原則として故人の借金や未払い家賃などを支払う必要はありません。ただし、手続き前の行動によっては相続したとみなされる可能性があるので注意しましょう。
相続放棄で引き継がないもの
👉 相談先:家庭裁判所・司法書士・弁護士
相続放棄が受理されると、故人の財産だけでなく借金や未払い費用も引き継ぎません。
たとえば、次のような債務は原則として支払う必要がなくなります。
・消費者金融やカードローンの借金
・未払い家賃
・公共料金の滞納分
・原状回復費用
・その他の債務
ただし、連帯保証人になっている場合は相続放棄をしても支払い義務は残ります。
相続放棄の期限と手続き
👉 相談先:家庭裁判所・司法書士・弁護士
相続放棄は、原則として相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申立てを行います。必要書類には戸籍謄本や住民票除票などがあり、状況によって異なります。
故人の財産や借金の内容を調査する時間も必要になるため、相続放棄を検討している場合は早めに準備を進めましょう。借金の有無が分からない場合は、司法書士や弁護士へ相談するのも有効です。
相続放棄を検討している場合の注意点
👉 相談先:家庭裁判所・司法書士・弁護士
相続放棄を予定している場合は、故人の財産を処分したり使用したりしないよう注意しましょう。
たとえば、次のような行為は相続したと判断される可能性があります。
・預貯金を引き出して使う
・価値のある遺品を売却する
・不動産を処分する
・故人の財産を自分のために利用する
相続放棄を検討している場合は、住居整理を進める前に専門家へ相談し、どこまで対応してよいか確認することをおすすめします。
✅ 生活保護受給者の遺品整理については以下のブログも参考にしてください
生活保護受給者の遺品整理は原則として遺族!自治体が関与するケースは?手続き・費用・注意点を解説
生活保護受給者が死亡した後の住居整理と退去手続き
| 確認事項 | 主な相談先 |
|---|---|
| 賃貸契約の内容確認 | 管理会社・大家 |
| 相続放棄の相談 | 家庭裁判所・司法書士・弁護士 |
| 遺品や家財の整理 | 遺品整理業者 |
| 退去期限の確認 | 管理会社・大家 |
生活保護受給者が賃貸住宅に住んでいた場合、死亡後に住居整理や退去手続きが必要です。賃貸住宅では、管理会社や大家から退去期限を指定されることがあります。とくに一人暮らしだった場合、死亡後の手続きや相続放棄の検討と並行して住居整理を進めなければならないケースも少なくありません。
しかし、相続放棄を検討している場合は、自己判断で遺品整理をすると不可になる可能性があります。遺品の処分や預貯金の引き出しを行う前に専門家へ相談することをおすすめします。
退去期限が迫っている場合でも慌てて片付けを進めず、まずは管理会社や専門家へ相談しましょう。
生活保護受給者が死亡した後にやってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 遺品を処分する | 相続したとみなされる可能性がある |
| 預貯金を引き出して使う | 相続承認と判断される可能性がある |
| 葬儀を先に契約する | 葬祭扶助を利用できなくなる可能性がある |
| 役所への連絡を後回しにする | 必要な手続きや支援制度に影響する |
生活保護受給者が死亡した後は、悲しみや慌ただしさの中で手続きを進めることになります。しかし、対応を誤ると相続放棄ができなくなったり、利用できる制度が使えなくなったりする可能性があります。とくに相続放棄や葬祭扶助を検討している場合は、専門家に相談してから判断しましょう。
相続放棄を検討しているなら財産に手を付けない
👉 相談先:家庭裁判所・司法書士・弁護士
相続放棄を予定している場合は、故人の財産を勝手に処分したり、使用したりしないよう注意しましょう。
たとえば、故人名義の預貯金を引き出す、価値のある遺品を売却する、自動車や不動産を処分するといった行為は、相続を承認したと判断される可能性があります。生活保護受給者の場合は「財産がほとんどないだろう」と考えがちですが、預貯金や保険金、家財などが相続財産に含まれるケースもあります。
また、賃貸住宅の退去期限が迫っている場合でも、独断で遺品整理を進めるのは避けた方が安心です。相続放棄を検討している場合は、まず司法書士や弁護士へ相談し、どこまで対応して良いか?を確認してから行動しましょう。
葬祭扶助や行政手続きは早めに相談する
👉 相談先:福祉事務所・担当ケースワーカー・市区町村役場
生活保護受給者が死亡した場合は、福祉事務所への連絡を後回しにするのはNGです。とくに葬祭扶助を利用したい場合は、葬儀社との契約前に相談しましょう。先に一般的な葬儀を契約すると、葬祭扶助の対象外となる可能性があります。
また、死亡届の提出や生活保護廃止手続き、年金や公共料金の停止なども早めに進める必要があります。「何から始めればよいか分からない」という場合は、まず担当ケースワーカーへ連絡し、必要な手続きや利用できる制度について確認しましょう。
生活保護受給者とお金に関するよくある質問
葬儀費用、退去費用、香典や保険金の扱いなど、誤解されやすい論点をQ&A形式で短く整理します。
生活保護受給者が死亡した場合、家族は葬儀費用を負担しなければなりませんか?
A. 必ずしも負担する必要はありません。
生活保護受給者が死亡した場合、遺族に十分な資力がないなど一定の条件を満たせば、葬祭扶助を利用できる可能性があります。ただし、通夜や告別式、会食費、お布施などは対象外となることが一般的です。利用を検討している場合は、葬儀社と契約する前に福祉事務所へ相談しましょう。
相続放棄するとアパートの退去費用も支払わなくてよいですか?
A. 相続放棄が認められれば、原則として未払い家賃や退去費用を負担する必要はありません。
未払い家賃や原状回復費用は、故人の債務として扱われます。そのため、相続人が相続放棄をした場合は、原則として支払い義務を引き継ぎません。ただし、賃貸契約の連帯保証人になっている場合は別です。相続放棄をしても保証人としての責任が残る可能性があります。
香典や死亡保険金を受け取ると問題になりますか?
A. 生活保護費の返還義務が生じるわけではありません。
香典は一般的に喪主や遺族への贈与と考えられており、故人の相続財産には含まれません。また、死亡保険金も受取人が指定されている場合は受取人固有の財産とされることが多く、相続財産とは別に扱われます。ただし、保険契約の内容や受取方法によって扱いが異なるケースもあるため、保険会社や専門家へ確認すると安心です。
生活保護受給者が死亡した際に知っておきたいポイントまとめ
生活保護受給者が死亡した場合は、まず福祉事務所へ連絡し、死亡届や各種解約手続きを進めることが大切です。状況によっては葬祭扶助を利用できるほか、相続放棄によって借金や未払い家賃などの負担を避けられるケースもあります。ただし、相続放棄を検討している場合は遺品の処分や預貯金の引き出しを行わず、慎重に対応しましょう。
生活保護受給者の死亡後は、住居整理や相続、税金など複数の問題が同時に発生することがあります。フリーアールでは遺品整理士やファイナンシャルプランナー(FP)が在籍しており、遺品整理はもちろん相続や税金に関するご相談も承っております。ご遺族の状況に合わせて必要な手続きや進め方をご案内しておりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。
この記事を執筆・監修したのは
ブログ担当:コイデ
遺品整理や生前整理に関する記事制作を担当。
「初めての方にも分かりやすい情報発信を心がけています」
遺品整理士:佐々木 隆
バイヤー歴19年の現役遺品整理士。
「人に優しく思いやり第一がモットーです!」
|
株式会社フリーアール 遺品整理士協会・JRRC所属。2011年の設立以来、神奈川県 藤沢市を中心に遺品整理や生前整理/不用品買取/お片付けを行い |
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